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PTSD 心的外傷後ストレス障害の理解と対応


(2)神経科学/身体志向心理療法

神経科学/身体志向心理療法(ソマティック)により、オーソドックスなカウンセリングに比べて、
短期間での着実な回復が可能です。
 


身体志向心理学、心身心理学は、心身関係を重視する心理学/心理療法の総称です。
英語では、ソマティック・セラピー、欧州ではボディ・サイコセラピーと呼ばれている、臨床的アプローチです。

身体志向心理学/療法は、日本では未だ充分には、紹介されていないものです。
また、実施している施設、セラピストも少ないのが現状ですが、

2000年以降、脳科学、神経科学、行動神経科学などの飛躍的な発展と連携して、
アメリカを中心として脳科学との融合化、心と身体の統合的な療法が発展しています。


その中でも研究が進んでいる分野が、ソマティック系の心理療法、ボディー・ワーク、PTSD トラウマ・セラピー治療です。

主な身体志向心理療法としては、ハコミ・メソッド、バイオエナジェティックス、バイオシンセシス、SE(ソマティック・エクスペリエンシング)、ハンナ・ソマティックス、センサリーモーターセラピー、EMDR、IEMT、RTM、コンパッション・フォーカスト・セラピーなどがあります。
 

学説としては、特に行動神経科学を標榜するスティーブン・ポージェス(イリノイ大学精神医学科、同大学 [脳ー身体センター] 所長)教授の「ポリヴェーガル理論」(Polyvagal Theory:多重迷走神経論 1922 - 2011年)が、臨床の場で有力な理論的支持を得ています。

 

  
  
 



私は、様々なトレーニングを受けた上で、IEMT(EMDRに比べて、安全で効果的だと思います。)、RTM、BCT、コンパッション・フォーカスト・セラピーといった手法を使うことが多いのですが、
他にも、心的抑圧・緊張の身体症状(身体的緊張)に生理的・言語的な働きかけを行うもの。また、関連するものでは、ゲシュタルト・セラピー、フォーカシングなども身体感覚に注目するアプローチです。

発達心理学のアタッチメント・セオリー(ボウルヴィー)も性格(構造)分析と共に身体的心理学の基礎の一つになります。他にも出産過程で生じるトラウマ生成の説明(S.グロフ BPM仮説)バース・トラウマ、周産期心理学などがあります。



身体志向心理学、心身心理学は、心理カウンセラー、セラピストだけでなく、脳神経学者、精神医療の分野でも注目されています。 


たとえば、PTSD/トラウマ研究の第一人者バンダーコーク教授(ボストン大学)もEMDRやSE、SPなどソマティック・アプローチが非常に有効であることを実証しています。「精神(心理)療法とは、実のところ生理学であることが明らかになった」T.ルイス準教授(カリフォルニア大学)という先生もいます。

日本では、サイコロジーの最初の訳(明治時代)は「性理」。個人的に「心理学」(西周 訳)はどうかな?と思っています。


身体志向心理療法と神経科学との融合が日々進められています。特に身体症状を伴うPTSD、トラウマ反応、恐怖、自己批判・自己否定、嫌悪など、オーソドックスなカウンセリングに比べ、短期間で着実に効果・成果が出ます。
 


 
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■ 参考資料「PTSDにおける脳科学研究の臨床への考察」
  ベッセル・A・ヴァン・デ・コーク医学博士 2006