PTSD  複雑性 PTSD  急性ストレス障害、解離性同一性障害治療の心理療法、トラウマ・ストレス・ケア・セラピー、うつ病・うつ状態と再発防止、双極性障害、自信がない・自己批判・自己否定、自己嫌悪。不安・恐怖、慢性疲労、運動障害、疼痛、自律神経系不調。不登校、学習指導、人間関係・家族の相談

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うつ状態 うつ症候群 うつ病の回復と再発防止、双極性(躁うつ)の心理療法 事例


■ これまで多くのうつ状態の方とお会いしてきました。うつ状態は、カウンセリング、心理療法、精神医療の現場では、不安と並んで多くみられる精神状態です。

気分障害による場合が典型ですが、精神症状としてのうつ病の方や身体疾患からのうつ状態、器質性や薬剤(ステロイドやインターフェロン、降圧薬など)によるものなど、さまざまなケースがあります。そして、その回復への取り組みにも様々な方法 (治し方)があります。


また、慢性的なうつ状態(うつ症候群)の背景には、多様な環境や生活要因と素因(原因)があり、回復には、多層の見立て(うつ病診)と状態因・環境因による、多角的な観点(視点)、それぞれに適した方法・取り組みが必要です


■ うつ状態 うつ病 多軸視点(観点)ご相談事例

■ 1 うつ病・うつ状態(うつ症候群)身体症状・精神症状・誘因(うつ病 チェック)
■ 2 臨床上重要なうつ状態とその特徴(うつ病診断)
 うつ状態・うつ病の多軸視点(観点)療法
 見立てと治療の基本
 日常での対応のポイント(参考)

■ 3 ご相談と心理療法、カウンセリング事例(うつ病 治し方)
 疾患ごとの特徴的なビリーフ(スキーマ)

※ 事例については、今後も、背景にパーソナリティー障害があるケースなどを、挙げていきます。

 


■ 1 うつ病・うつ状態(うつ症候群)と身体感覚 (うつ病 チェック)

ゆううつ気分、行動の抑制、睡眠障害を主として、行動や言動が遅くなり、人と会うのがおっくうとなり、これまで出来ていた活動が出来なくなり、特にこれまで自分が得意だったことが出来ない。
興味があったことに関心が向かない。優先順位がわからない。決断が出来なくなるなどの状態が起こります。
 
抑制は自律神経系、身体症状に及び、唾液や涙が出にくくなる。口の渇き、便秘、食の減少、味覚や臭覚の低下。感情と表情の抑制、転導性の低下により、同じことを繰り返し考え行き詰まる、話が要点から遠回りしる状態となります。
 
深いうつ病の場合は、感情喪失感や共鳴喪失性。自己価値観・自己効力感の低下から、自分はダメで、他の人が偉いと感じたり、「微小妄想」「貧困妄想」「心気妄想」が起こる場合もあります。
 
うつ病 身体症状
 
入睡困難、中途覚醒、早朝覚醒、眠り心地。目覚め心地
食欲不振、体重減少、全身倦怠感、性欲減退、生理不順
 

うつ病 精神症状
 
抑うつ気分、不安感、焦燥感、意欲低下、集中力低下、思考制止
日内変動(朝方不調、夕方不調、一日中不調)、希死念慮
 

誘因
責任の増大、新課題
昇進(仕事量、人間関係の複雑化、決断、努力量の増加→軽躁状態→疲労)
協調性、強迫性、精力性、努力型、几帳面・律儀、秩序の重視
対人関係の矛盾(職場環境・人間関係)
※ 真面目で人一倍働く人


2 臨床上重要なうつ状態とその特徴(うつ病診断)
 
a 軽躁状態を伴う躁うつ病(双極Ⅱ型)
b PTSD、外傷性疾患のうつ状態
c 境界性パーソナリティー障害の方のうつ気分
d 精神病水準の病態
e アルコールとうつ状態
f 高齢者のうつ状態
g 脳の器質疾患、内分泌疾患、薬剤によるもの
 
例えば、うつ病という診断で、6~7年の投薬、時折、大暴れするという場合は、パーソナリティー障害が基底にある可能性があります。こうした場合は、うつ状態だけでなく、多軸的な心理臨床を構成していく必要があります。
 
神経症性抑うつや心気症の方に慢性化した外傷性神経症、PTSD(外傷後ストレス障害)、C-PTSD (複雑性が外相後ストレス障害)、外相神経症状が見られることもあります。

新型うつ病(ディスチミア)では、抗うつ薬の効果は薄く、身体表現性障害(転換ヒステリー)や境界性パーソナリティー障害に準じた心理療法が効果的な場合が多いと経験しています。


 
うつ状態・うつ病の多軸視点(観点)療法
 
日常、さまざまなことで、誰もがゆううつな気分になったり、不安を感じたり、時には混乱することがあります。うつ状態、うつ病にも様々な背景があります。
 
適応障害、パニック障害、急性ストレス障害、社会不安障害、外傷性神経症、PTSD、C-PTSD、摂食障害やパーソナリティー(人格)障害など様々です。長年のうつ状態が身体治療ですぐになくなったケース(甲状腺、自律神経系など)もあります。
 
また、うつ病にも病態水準があり、神経症水準のもの、パーソナリティー(人格)障害水準(自己愛性パーソナリティー障害、境界性パーソナリティー障害)の場合、統合失調症水準のケースでは、病態水準や背景(誘因)の違いによる心理臨床が必要です。
 
個人カウンセリング、家族療法、夫婦カウンセリング、グループ療法などの工夫や組み合わせ、医療機関との連携、ご家族、パートナーへの支援、環境調整と心理ガイダンスも大切な要素となります。


見立てと治療の基本

・「うつ状態(状態像)」と「うつ病(病名)」の違いを踏まえた見立て

・ 病前性格・発病状況・経緯・治療反応の考慮 
・ 軽躁状態を伴う躁うつ病(双極Ⅱ型障害)が多く、経過をよく聴いての見立てが必要
「脳の器質疾患」「内分泌疾患」「薬剤の影響」の可能性を観る
・ 背景にパーソナリティー障害がある場合や精神病水準が推測される場合は、投薬に慎重な配慮が必要
・ 投薬治療がある場合は、減量に際して、慎重に漸減の必要がある
 

対応のポイント(うつ病 接し方)

 
安易に「わかる」と言わない。
なれなれしくしない(死ぬより辛いのに我慢している / 肩を軽く叩くなどを嫌う)
常に同じ態度、同じ言葉を繰り返す(定点化)
自尊心の傷つき(自己価値の上下動)に配慮する。
見舞いは最小限に、励ましは禁止
(期待に応えようとして頑張り、頑張れずに苦しむ)

回復期には充分な慎重さが必要  
回復初期の夢の明るさと目覚めの重暗さの落差  

「夢から軽くなっていきます。」
「回復が始まりかけてきています。」

回復段階に応じた生活指導
心身の休養。仕事・家事を休む(誰かに任せる)

焦燥感が強い場合、自殺念慮、自殺企図のある場合は入院
本人が休める環境・場所の確保を家族(職場)に相談
一日中寝ているのは回復に有効
訓練や修養は有害
将来の不安、取り越し苦労は、出来るだけ後回しにしてもらう
(気疲れを一旦わきに置くことは困難)
その他

詳しい具体策は、心理療法、カウンセリングの中で進めていきます。


■ ご相談と心理療法、カウンセリング事例(うつ病 治し方)
 

【事例】「慢性的な葛藤が背景にあるケース」
20代後半 女性 うつ病
母親との関係が大きな負担となっていた例
抑うつ状態になり、精神科通院、投薬:各種の抗うつ剤、抑うつ状態がしばしば再発。母親とのかかわりに関連して不安定になる。2年間の投薬ののちに、心理療法を希望。紹介受診。
 
「非機能的思考記録」嫌なことがあったときに記入する記録
A具体的な出来事を記入、この場合、主に母親の言動の記録になる。
Bその受け取り方は、罪悪感・絶望感・自己否定感・孤独感・寂しさ・落ち込み・で占められていた。
これに対して、適応的・合理的思考を一緒に探す。
C母親との関係での絶望感が減少して、母親の言動を受け流すことができるように変化。落ち込み感・抑うつ感が解消。



■ 認知行動療法の一例
認知行動療法:日常的なものごとのとらえ方、認知・思考の仕方を意識的・系統的・継続的に共同的に作業していく療法です。認知行動療法は、シンプルでご本人・ご家族がカウンセリングの内容を理解しやすく、プロセスを共有できる。気分障害や不安障害の効果にエビデンスがあるというメリットがあります。

出来事が(A)、受け止め方・とらえ方が(B)、その結果が(C)として、出来事(A)があっても、認知・自動思考(B)が変化することで、結果(C)としての感情・行動・体調が変化して、自動思考が修正されていくことで、世界観・人間観、信念(ビリーフ)、信条体系が変化していくというプロセスが認知行動療法です。
パニック発作を例とすると、不安と動機・窒息感・胸痛・発汗・めまいなどの自律神経症状が出た場合(A)、生命に関わる重病かと考える(B)ことがあります。このように解釈(意味づけ)した場合、一層その不安が強くなり、結果(C)として、予期不安・パニック障害が形成されていきます。
こうした場合、心理教育と認知の修正を行うことで、不安と症状が軽くなるという結果になります。
こうしたケースの場合も神経科学 身体心理療法との併用により、オーソドックスなカウンセリングに比べて、早い回復が可能です。
 
また、なにか「叱咤・叱責」された(A)場合の自動思考:とらえ方・考え方のパターン(B)を考えてみると、悲観的であったり、他責や関係性を憶測したりなど、受け取り方があるのですが、これが固定的にパターン化すると、状況に対しての見方・対応に柔軟性がないものになっていきます。結果(C)、悲観的になる、他責や関係性に関連付けることになり、憂うつ感や慢性疲労などが現れます。

そこで、見方・とらえ方(B)を柔軟に総合的に見ていけるように転換していくプロセスが認知行動療法です。
1自動思考の把握
2適応的・合理的思考の案出 →「気分の変化」
3経過観察、経過からのフィードバック
4テーマ(ビリーフ)の修正


【事例】「夫・姑との関係が負担になっていたケース」
30代 女性 うつ病
20代後半に結婚。同敷地内に夫の両親が居住。夫・姑から批判的・人格否定の言動が繰り返され、自責、自信喪失。うつ状態で精神科通院。投薬療法(4年)の変化なく、心理療法を希望、紹介受診。
 
批判・否定を鵜呑みにして、また、周囲に心配をかけないようにと一人で抱え込み、自責・自信喪失。認知行動療法とトラウマセラピーの併用。夫・姑の行き過ぎ・不当性を理解。1年後に離婚、就職、再婚。安定化の後、経過観察中。


【事例】「子供のことが重い負担になっていたケース」
40代 女性 うつ病
抑うつで精神科通院、投薬:各種抗うつ薬、改善が見られず、息子との関わりで不安定になる。認知行動療法を希望、紹介受診。息子は、強迫性障害、引きこもり、家庭内暴力。
 
当初「すべて自分のせいだ」として思いつめた様子。暴力によるPTSD、トラウマ症状・反応、息子の将来に悲観的で無力感。

認知行動療法と神経科学トラウマ・セラピーの併用により、約1年で抑うつ状態が解消し、子供の状態も安定化。両親との関係性が改善方向。
 


【事例】「生活の立て直しがテーマとなっているケース」
20代後半 男性 うつ病 
小さい時から医師を志望して、猛勉強をしてきたが、数年、試験に受からず、抑うつ状態になり精神科通院。最終と決めて受けた受験に失敗して、うつ状態が悪化。投薬:各種向精神薬(9年)で改善せず。心理療法を希望、紹介受診。
 
生活の立て直しというテーマを提案。いくつかの資格を取得後に就職。症状が改善。


【事例】「協調性・強迫性・活動性による脳疲労のケース」
40代 男性 うつ病
抑うつ状態になり精神科通院。投薬:各種抗うつ薬。抑うつ状態がしばしば再発、精神状態の不安定(6年)が続き、頻回の病欠・休職で解雇の危機となり、紹介受診。

頼まれると断れない。自分の意見が言えないなど葛藤を抱えている。自分・他人のミスにこだわり、頭から離れず、不快な感情が持続する。熱中しての徹夜仕事の後にダウン、身体疲労感の自覚が薄く体調を崩す。
 
特徴・特性についての話し合いと改善策の共同作成により、再発がなくなり、安定化。



【事例】「存在の負い目を持ちながらいきてきていたケース」
20代後半 女性 うつ病
20代中ごろ、抑うつ状態になり精神科通院(4年)。投薬での改善はみるが、再発を繰り返す。心理療法を希望、紹介受診。
 
仕事で失敗するイメージが常にあり、さまざまに策・案を考えて不眠になり、苦しいとの訴え。こうした状態への過程・成り立ちを共に検討するうちに、成育歴(父親からのメッセージの内在化)の影響が浮かび上がる。否定的な自己像、存在していることの負い目があり、人間関係全般に意見交換・話し合いがもてず、ひとりで抱え込む。
 
自分の目で見る。考える・検討することについての対話で、受け取り方の柔軟性と主体性が醸成され、安定化。PTSD 外傷性精神障害の観点(視点)

 
 
■ PTSDに類似する状態を呈している場合。いじめ、パワハラ、セクハラ、モラル・ハラスメント、などのストレス因に伴って、フラッシュバック、過覚醒(興奮)、悪夢、低覚醒・回避がある場合。
 
【事例】「職場での外傷性精神障害のケース」
30代後半 男性 うつ病
30代前半、職場の対人ストレス。「何につけ反対する」「頻繁な連絡と即刻対応を求める」2人の部下がいる。対応に困窮して抑うつ状態になり精神科通院。投薬(2年):各種抗うつ薬による効果は見られず、不出社状態になる。心理療法を希望。紹介受診。
 
「ストレスで落ち込む弱いダメな人間」「部下の要求に応えることができない無能な自分を責める」職場での体験が生々しく蘇る、悪夢を見る。
 
認知行動療法と神経科学トラウマ・セラピー、行動療法の併用。復職して活躍。


【事例】「家族の自死により死別反応が遷延したケース」
10代後半 女性
うつ病で精神科通院中の父親が自宅で自殺。隣室で睡眠中で気づかず、そのことで強い自責、親族からも批判される。しばらくして後に、うつ状態が遷延(慢性化)し、精神科受診。投薬による改善が見られず、紹介受診。
 
自責の念の因、「非」についてと他からの批判についての対話による検討、神経科学トラウマ・セラピーでの自律神経系の調整。数回のセッションで死別反応の消失。


【事例】「うつ状態での自傷行為ー解離性障害のケース」
20代 女性
実習での動物解剖、しばらくして後、「生きている動物を殺す実習に参加したことの気持ちの整理がつかない」状況が続き、うつ状態になり、手首を切ることを繰り返すようになる。また、ビルから飛び降りようとするなど、解離状態の自傷行為が頻発。複数個所の精神科病院などで、CT,MRI,脳波検査の異常なく、投薬:向精神薬(1年)によっても改善なし。紹介受診。
 
初回面接にて、心理教育と心理療法のプランを提示、数回の解離治療のセッションと日常生活の環境整備の後、解離から緘黙に、再度、対処行動の必要がなくなるように、環境調整と対話。認知の変化の度合いは、ほぼ変わらないものの解離症状は消失。

 PTSD治療・解離治療・トラウマ・ケアのカウンセリング・心理療法 トラウマ・ストレス・リダクション・セラピー




■ 疾患ごとの特徴的なビリーフ(スキーマ)
・社交不安障害 
 → 他人から欠点が認知されて、負の印象を持たれる
・パーソナリティー障害 (例:BPD 境界性パーソナリティー障害) 
 → 見放される、全否定される
・慢性うつ病・うつ状態
 → 自分は存在する価値がない、現状を変えることはできない。など